【振袖の特徴】
兎（うさぎ）をモチーフにしたポックリ草履を大胆に散りばめさせています。
本当に、濃い地の振袖なのですが愛らしさもあり、個性が溢れる振袖です。
兎の柄が着物と関係があるの？という疑問を抱く方も多いと思いますが、着物の柄での兎柄は非常に人気があり、縁起の良い動物とされています。
意味としては、兎は飛んで移動する事から「跳躍」「飛躍」。
兎は沢山子供を産む事から「子孫繁栄」。長い耳からは「福を集める」とも言われます。
そして、兎は前にしか移動出来ないので、後ろに後退しない事から「人生苦難があろうともどんな時でも前に進む」という意味もあるそうです。
兎は可愛いしか思い浮かばないですが、深い意味があり、着物の柄には良く使われます。そして、季節も問いません。
兎をモチーフにしたポックリ草履が振袖の柄に使用する発想。洒落がきいていて楽しくなります。
図案も、飛び柄で演出していますが、飛び柄は図案家のセンスが問われます。
本当にバランス良くデザインされていて、地空きの部分が絶妙です。
地色は黒に見えますが、濃い紫。生地は「古代縮緬」と言いしぼが高い生地になります。
この「古代縮緬」に染めると普通の「綸子生地」に染めるより深い色に仕上がり、渋くて味わいのある感じになります。この「兎文」の振袖にピッタリの生地です。
本当にセンスの良い方が創られデザインされたんだなとつくづく思います。
個性的な中に、愛らしさやお洒落感もある振袖。人と違う振袖をお探しの方にお勧めです。

【お勧めコーディネイト】
振袖の全体の雰囲気から考えてコーディネイトすると、帯も個性がある感じが良いかと思います。
掲載のコーディネイトの帯は、黄色の色帯をおいて帯とのコントラストを個性的に演出してみました。
「兎文」の様な個性的な振袖は、帯の色も大事ですが柄の方が重要かと思います。
掲載コーディネイトは、「七宝」の柄の帯で振袖の柄を邪魔しない様にコーディネイトしましたが、好き嫌いが分かれるコーディネイトになりますよね。
振袖の柄の雰囲気と帯の柄の雰囲気が一番大事になるので、個性的な振袖は雰囲気重視でコーディネイトしています。ですので、色より雰囲気重視になると思います。
重ね衿や帯締め・帯揚げも振袖や帯の雰囲気に合わせて色や形を決めていくのが大事だと思います。
文章にするとあやふやな感じになりますが、一言でいうと振袖・帯・小物の雰囲気で合わせる事が一番大事かと。
難しいのですが、コーディネイトが楽しめる振袖に間違いはありません。