絞りのお振袖のご紹介 2月/如月
- 志染庵店主のコラム
「手絞りの振袖のご紹介」
最近、又人気急上昇の「手絞りの振袖」友禅の振袖よりも立体感が有り個性も演出出来ます。
最近では、華やかな振袖が人気の中、少しずつ人気が上がってきています。
着物らしい落ち着いた雰囲気があり、絞りの加工を施す事で豪華さと個性そして高級感も生まれるので人気が有るのは言うまでもありません。
一言で「手絞り」と言われても、ご覧になられた事が無い方が多いので、軽くご説明致します。
絞りには、色々な種類があります。
「鹿の子(かのこ)絞り」「帽子(ぼうし)絞り」「桶(おけ)絞り」「辻が花(つじがはな)絞り」
もう少し絞りの種類はありますが、振袖に使われる絞りはこれ位かと思います。
絞りの歴史は、友禅より古く6世紀から7世紀に生まれたとされています。
びっくりですよね。そんなに歴史が古いとは。
私が昔ニューヨークのメトロポリタン美術館へ行った時、日本の古美術品を出店していたのですが、豊臣秀吉の羽織が「辻が花絞り染」だったのに驚いた事があります。
そして、徳川家康も「帽子絞り」の羽織が残っているので、先人達も、絞りの技法は豪華ですし、お洒落な技法だったので好んで着ておられたのでしょう。
~キモノモードの「手絞り」振袖~
この5種類が全て、手絞りの振袖になります。
全て、友禅を加工してからの、手絞りになります。
この、手絞りの振袖の加工の歴史は浅くここ最近の手絞り振袖です。
友禅を描いてからの、手絞りですので色が鮮やかで、近年の流行の絞りとでもいうのでしょうか。元来の手絞りの振袖より分かりやすい感じだと思います。
絞りの加工は、5つの振袖全てに、「鹿の子」「帽子」「桶」絞りが施されています。
前身ごろには、良く見ると「刺繍」も入っており大変豪華ですね。
~志染庵の桶絞り振袖~
この4種類の振袖は主に、桶絞りをメインに作られた振袖です。
「桶絞り」は特殊な桶を使い柄の色を分ける為に行う技法です。
赤と白、赤と茶、黄とピンク、色が分かれている所に「桶絞り」の技法が使われています。
絞りと付いているのに、絞りの雰囲気が無いように見えますが、拡大して見ると色の分かれ
ている部分が、波打っているのが分かります。この部分を「桶絞り」で表現しております。
その他の部分は、手描き友禅で描いていますので、絞りの豪華さと手描き友禅の品格で染め
上げられた振袖です。
~志染庵の手絞り振袖「藤娘きぬたや」~
一番ポピュラーな総絞りの振袖です。ここまでの絞りの振袖を作れるのは、もう日本でも「きぬたや」様一件のみでしょう。全て、手絞りで表現しております。
一枚作るのに、約一年は要する為非常に貴重で高価な物になります。
昔の総絞りと言えば、振袖だと黒や赤一色で無地の様な感覚でしたが、近年では絞りの色々な技法を使い表現の仕方を変えています。
志染庵では、白地の優しい感じを選んで掲載しています。
以上、今人気急上昇の絞りの特集でした。
絞りの技法も一つ一つ説明したかったのですが、かなり長くなるのでご興味のある方は、
「表参道 志染庵」までご来店予約をしていただきますと、実際にご試着もできます。
職人さんの大変さと、先人が考えた技法の素晴らしさに感動されると思います。
皆様のご来店、心よりお待ちしております。
キモノモード店主